CSVをAIに渡して「分析して」と頼むと、増減やランキングは返ってくる。それでも、次に何をすればいいか分からない。そんなとき、足りないのは長いプロンプトではなく、何を決めたいかという前提かもしれません。
まずは一つの表と、一つの問いで十分です。週次の広告レポートでも、ネットショップの売上確認でも、次の五つをそろえると、返ってきた答えを確かめやすくなります。
1. 「分析して」を、答えが必要な問いに変える
「先月の売上を分析して」では、売れ筋を知りたいのか、減収の理由を調べたいのかが伝わりません。「売上が前月より減ったのは、注文数と客単価のどちらの変化が大きいか」のように、最初に確かめることを一つ決めます。
原因をいきなり求めるより、どこで変化したかを聞くほうが、数字を照合しながら進められます。原因の判断には、販促、在庫、価格変更など、表に入っていない情報も必要です。
2. 比較する期間と対象をそろえる
30日ある月と31日ある月では、同じ日商でも合計売上が違います。今月がまだ途中なら、前月全体との比較だけで増減を判断しないようにします。合計に加えて1日平均を出す、同じ経過日数で比べる、といった方法があります。
期間の長さを合わせても、曜日や祝日、セールの有無は残ります。対象店舗、タイムゾーン、注文日と決済日のどちらで集計したかも、表の近くに書いておくと確認が楽になります。
3. 列名だけでは分からない意味を添える
同じ「売上」でも、税込か税抜か、送料を含むか、キャンセルや返品を差し引くかで金額が変わります。「CV」も購入、問い合わせ、会員登録では意味が違います。
AIが列名から推測しなくて済むように、集計条件を短く添えます。不明な定義は不明なままにして、比較や合算を保留します。空欄も、ゼロなのか未取得なのかを区別してください。
4. 必要な列だけの、小さな表から始める
最初の問いが日別売上の比較なら、購入者の氏名やメールアドレスは不要です。日付、売上、注文数など、集計に必要な列に絞ります。利用するAIに社内データを渡してよいかは、自社のルールと契約・設定を確認してください。
また、一部の行を抜き出した表と、期間全体を含む表は別物です。「直近100件」から月間の売れ筋ランキングを作ると、月の途中の注文が抜けることがあります。表がカバーする期間と件数も一緒に伝えます。
5. AIの答えを確かめる数字を先に決める
分析コメントを読む前に、元の表と合計売上・注文数などが一致するかを確認します。合っていなければ、重複行、空欄、キャンセルの扱い、フィルター条件を順に見直します。
計算式や使用した列も出してもらうと、数値をたどれます。数値が合った後で、事実と仮説を分けて説明を求めると、提出前の確認箇所がはっきりします。
最初の質問は、このくらいでよい
このCSVは、対象店舗の日別売上と注文数です。 売上は税込・送料を除く金額で、キャンセル済みの注文を除いています。 今回と比較対象の期間は、ファイル内の日付を確認してください。 まず対象期間、行数、空欄、日付の重複を確認してください。 次に各期間の売上合計・注文数・客単価と、計算式を示してください。 期間の日数が違う場合は、1日平均も併記してください。 増減の事実と原因の仮説は分け、足りない情報は推測で埋めないでください。
集計条件の部分は、自分のCSVに合わせて書き換えます。この例の定義をそのまま当てはめないようにしてください。
毎回同じ準備をしているなら、取得方法を見直す
一度だけの分析なら、CSVで試せます。同じ表を毎週取り直しているなら、既存の定期レポート、API連携、MCP接続などを比べる段階です。先に「何を取得し、どこを照合するか」を固めておくと、取得方法を変えた後も結果を確認できます。
広告レポートの作成手順と、CSV・API・MCPの使い分けでは、繰り返しの作業をどこまで任せるかを説明しています。
